不正アクセスが起きたことと、個人情報が外部へ持ち出されたことは同じではない。2026年の公表事案では、漏えいが確認された例、アクセス可能性だけが残る例、ランサムウェアで暗号化されたものの持ち出しは確認されなかった例が混在する。この一覧では、その違いを見出しの色で明示した。
2026年10月
GMOインターネット「お名前.com デスクトップクラウド」
影響調査対象 26,739件
顧客環境への不正プログラム設置と情報の外部持ち出しを確認。攻撃者は金銭を要求し、顧客情報の公開とランサムウェア攻撃を予告した。26,739件は侵害確定数ではなく調査対象の総数。
IDCフロンティア「IDCFクラウド」
495企業・自治体に影響/最大71社の登録情報を不正照会
認証システムのOSS脆弱性を突かれ、東日本リージョン1の一部仮想サーバーが停止・暗号化された。顧客VM内データの外部流出は確認されず、ポータル登録情報への不正照会は最大71社。
タイムズカーWebシステム
本人確認書類画像 約146万件に外部送信の痕跡
タイムズカーおよびタイムズクラブのWebシステムへの不正アクセス。外部送信の痕跡が確認された本人確認書類画像は約146万件。画像は暗号化保管されていたが、将来の復号可能性を完全には否定できないとしている。
物語コーポレーション「焼肉きんぐ」公式アプリ
約1,079万件
公式アプリの会員情報が外部へ漏えい。氏名、メールアドレス、電話番号、生年月日、性別などが対象となり、会社は対象者へ個別通知と不審な連絡への注意を呼びかけた。
バーガーキング公式アプリ
約1,118万件
公式アプリ会員の登録情報が不正アクセスにより漏えい。氏名、メールアドレス、電話番号、生年月日などが対象。決済カード情報は含まれないと発表された。
BOOKOFF 会員管理システム
6,427,735件/6,383,279人
不正アクセスにより会員情報が漏えい。本人確認書類画像は対象外。会社は10月16日に公表内容の一部を訂正しているため、最新の訂正文も併記する。
skyticket
主要事案 約1,464万件/うちパスワード約413万件
異なる経路による3件の不正アクセスを公表。サーバー侵害では氏名、連絡先、住所、ハッシュ化パスワードなどが対象。別の業務管理システムとバス予約ページでも情報へのアクセスが確認された。
2026年8〜9月
ムラウチドットコム
7,716,811件
Webシステムの脆弱性を起点とする不正アクセスで、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、生年月日、性別を持ち出された。カード情報とログインID・パスワードは対象外。
デジタル庁「ガバメントソリューションサービス(GSS)」
約24.6万件
VPN機器の脆弱性を悪用した侵入で、職員・業務従事者などの氏名、メールアドレス、電話番号、住所等が漏えいした可能性。一般市民の情報、マイナンバー、口座情報、年金番号は含まれない。
さくらインターネット
販売管理システム 1,360,563アカウント/レンタルサーバー 951アカウント
販売管理システムの会員情報等が閲覧・取得された可能性。レンタルサーバーの一部にも侵害とマルウェア設置を確認したが、外部持ち出しを裏付ける明確な事実は確認されていない。
2026年1〜7月に公表された主な事案
KDDI「ISP事業者向けメールシステム」
メールアドレス 12,231,954人/うちパスワード 7,616,173人
第三者製ソフトウェアの脆弱性が悪用され、@nifty、BIGLOBE、J:COM NETなど6社のメールサービスへ波及。数値は7月21日の訂正後で、パスワード件数はメールアドレス件数の内数。
あなぶきハウジンググループ
207,773件
2月3日にランサムウェア被害を確認。グループ会社の通信機器を起点に管理者権限を奪われ、複数サーバーへ侵入・暗号化された。流出ファイルの精査で個人情報の対象件数を確定した。
自分や勤務先が対象かもしれないとき
- 01公式発表の対象サービスと期間を照合
会社名だけで判断せず、利用サービス、登録時期、対象となる情報項目を確認する。個別通知が迷惑メールに入っていないかも見る。
- 02使い回したパスワードを別の端末から変更
メールや会員IDのパスワードが対象なら、同じ文字列を使った他サービスも個別の強いパスワードへ変更し、多要素認証を有効にする。
- 03メール、口座、カード、ログイン履歴を継続監視
氏名や契約情報を知る相手からの連絡でも、リンク先で認証情報や金銭を求められたら公式窓口へ直接確認する。
- 04証拠を消さずに相談
不正利用を見つけたら、時刻、画面、メールヘッダー、取引明細を保存し、サービス事業者、金融機関、警察の相談窓口へ連絡する。